ヨブ記3-4 ; 使徒7:44-60

ヨブ記

第3章

3:1この後、ヨブは口を開いて、自分の生れた日をのろった。3:2すなわちヨブは言った、
3:3「わたしの生れた日は滅びうせよ。
『男の子が、胎にやどった』と言った夜も
そのようになれ。
3:4その日は暗くなるように。
神が上からこれを顧みられないように。
光がこれを照さないように。
3:5やみと暗黒がこれを取りもどすように。
雲が、その上にとどまるように。
日を暗くする者が、これを脅かすように。
3:6その夜は、暗やみが、これを捕えるように。
年の日のうちに加わらないように。
月の数にもはいらないように。
3:7また、その夜は、はらむことのないように。
喜びの声がそのうちに聞かれないように。
3:8日をのろう者が、これをのろうように。
レビヤタンを奮い起すに巧みな者が、
これをのろうように。
3:9その明けの星は暗くなるように。
光を望んでも、得られないように。
また、あけぼののまぶたを見ることのないように。
3:10これは、わたしの母の胎の戸を閉じず、
また悩みをわたしの目に隠さなかったからである。
3:11なにゆえ、わたしは胎から出て、死ななかったのか。
腹から出たとき息が絶えなかったのか。
3:12なにゆえ、ひざが、わたしを受けたのか。
なにゆえ、乳ぶさがあって、
わたしはそれを吸ったのか。
3:13そうしなかったならば、
わたしは伏して休み、眠ったであろう。
そうすればわたしは安んじており、
3:14自分のために荒れ跡を築き直した
地の王たち、参議たち、
3:15あるいは、こがねを持ち、
しろがねを家に満たした
君たちと一緒にいたであろう。
3:16なにゆえ、わたしは人知れずおりる胎児のごとく、
光を見ないみどりごのようでなかったのか。
3:17かしこでは悪人も、あばれることをやめ、
うみ疲れた者も、休みを得、
3:18捕われ人も共に安らかにおり、
追い使う者の声を聞かない。
3:19小さい者も大きい者もそこにおり、
奴隷も、その主人から解き放される。
3:20なにゆえ、悩む者に光を賜い、
心の苦しむ者に命を賜わったのか。
3:21このような人は死を望んでも来ない、
これを求めることは隠れた宝を
掘るよりも、はなはだしい。
3:22彼らは墓を見いだすとき、非常に喜び楽しむのだ。
3:23なにゆえ、その道の隠された人に、
神が、まがきをめぐらされた人に、光を賜わるのか。
3:24わたしの嘆きはわが食物に代って来り、
わたしのうめきは水のように流れ出る。
3:25わたしの恐れるものが、わたしに臨み、
わたしの恐れおののくものが、わが身に及ぶ。
3:26わたしは安らかでなく、またおだやかでない。
わたしは休みを得ない、ただ悩みのみが来る」。

第4章

4:1その時、テマンびとエリパズが答えて言った、
4:2「もし人があなたにむかって意見を述べるならば、
あなたは腹を立てるでしょうか。
しかしだれが黙っておれましょう。
4:3見よ、あなたは多くの人を教えさとし、
衰えた手を強くした。
4:4あなたの言葉はつまずく者をたすけ起し、
かよわいひざを強くした。
4:5ところが今、この事があなたに臨むと、
あなたは耐え得ない。
この事があなたに触れると、あなたはおじ惑う。
4:6あなたが神を恐れていることは、
あなたのよりどころではないか。
あなたの道の全きことは、あなたの望みではないか。
4:7考えてみよ、だれが罪のないのに、
滅ぼされた者があるか。
どこに正しい者で、断ち滅ぼされた者があるか。
4:8わたしの見た所によれば、不義を耕し、
害悪をまく者は、それを刈り取っている。
4:9彼らは神のいぶきによって滅び、
その怒りの息によって消えうせる。
4:10ししのほえる声、たけきししの声はともにやみ、
若きししのきばは折られ、
4:11雄じしは獲物を得ずに滅び、
雌じしの子は散らされる。
4:12さて、わたしに、言葉がひそかに臨んだ、
わたしの耳はそのささやきを聞いた。
4:13すなわち人の熟睡するころ、
夜の幻によって思い乱れている時、
4:14恐れがわたしに臨んだので、おののき、
わたしの骨はことごとく震えた。
4:15時に、霊があって、わたしの顔の前を過ぎたので、
わたしの身の毛はよだった。
4:16そのものは立ちどまったが、
わたしはその姿を見わけることができなかった。
一つのかたちが、わたしの目の前にあった。
わたしは静かな声を聞いた、
4:17『人は神の前に正しくありえようか。
人はその造り主の前に清くありえようか。
4:18見よ、彼はそのしもべをさえ頼みとせず、
その天使をも誤れる者とみなされる。
4:19まして、泥の家に住む者、
ちりをその基とする者、
しみのようにつぶされる者。
4:20彼らは朝から夕までの間に打ち砕かれ、
顧みる者もなく、永遠に滅びる。
4:21もしその天幕の綱が
彼らのうちに取り去られるなら、
ついに悟ることもなく、死にうせるではないか』。


使徒

第7章

7:44わたしたちの先祖には、荒野にあかしの幕屋があった。それは、見たままの型にしたがって造るようにと、モーセに語ったかたのご命令どおりに造ったものである。7:45この幕屋は、わたしたちの先祖が、ヨシュアに率いられ、神によって諸民族を彼らの前から追い払い、その所領をのり取ったときに、そこに持ち込まれ、次々に受け継がれて、ダビデの時代に及んだものである。7:46ダビデは、神の恵みをこうむり、そして、ヤコブの神のために宮を造営したいと願った。7:47けれども、じっさいにその宮を建てたのは、ソロモンであった。7:48しかし、いと高き者は、手で造った家の内にはお住みにならない。預言者が言っているとおりである、
7:49『主が仰せられる、
どんな家をわたしのために建てるのか。
わたしのいこいの場所は、どれか。
天はわたしの王座、
地はわたしの足台である。
7:50これは皆わたしの手が造ったものではないか』。7:51ああ、強情で、心にも耳にも割礼のない人たちよ。あなたがたは、いつも聖霊に逆らっている。それは、あなたがたの先祖たちと同じである。7:52いったい、あなたがたの先祖が迫害しなかった預言者が、ひとりでもいたか。彼らは正しいかたの来ることを予告した人たちを殺し、今やあなたがたは、その正しいかたを裏切る者、また殺す者となった。7:53あなたがたは、御使たちによって伝えられた律法を受けたのに、それを守ることをしなかった」。
7:54人々はこれを聞いて、心の底から激しく怒り、ステパノにむかって、歯ぎしりをした。7:55しかし、彼は聖霊に満たされて、天を見つめていると、神の栄光が現れ、イエスが神の右に立っておられるのが見えた。7:56そこで、彼は「ああ、天が開けて、人の子が神の右に立っておいでになるのが見える」と言った。7:57人々は大声で叫びながら、耳をおおい、ステパノを目がけて、いっせいに殺到し、7:58彼を市外に引き出して、石で打った。これに立ち合った人たちは、自分の上着を脱いで、サウロという若者の足もとに置いた。7:59こうして、彼らがステパノに石を投げつけている間、ステパノは祈りつづけて言った、「主イエスよ、わたしの霊をお受け下さい」。7:60そして、ひざまずいて、大声で叫んだ、「主よ、どうぞ、この罪を彼らに負わせないで下さい」。こう言って、彼は眠りについた。


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